歴史を探して・・・

 

私たちの旅行は12月20日〜23日までの3泊4日。あまり時間がない。着いた日はホテルの周りをぶらぶら歩いてのんびり夕ご飯を食べ、そしてホテルでくつろいだ。2日目は市場に出掛けてあれこれ食べ歩き、ついでに豫園を観光してそのあとは玉仏寺で精進料理を食べた。そして3日目。残りは1日半である。こんな短時間で何ができるだろうか? おみやげも買いたい。やっぱりバンドも歩きたい。でも実は今回どうして行ってみたいところがあったのだ。

数年前、上海博物館の所蔵品が上野の国立博物館に来たことがあった。それを見に行ってその完成度の高さにすっかり魅せられてしまった私。昨年の冬は改装中ということで入ることができなかったため、無念の涙を飲んだが、今年こそは上海でじっくり見たいと願っていたのだ。幸い同行したMお姉さまもそういうものを見るのがきらいな方ではないため、午前中に上海博物館、午後は黄浦江の川下りというプランに決定した。

上海博物館に一歩足を踏み入れて驚いた! ここは中国ではない! あまりにもきれいすぎる建物、コンピュータによる所蔵品の説明・・・実に近代的な博物館なのだ。しかも広い。1階から順に見ていくと、時代が徐々に下っていく仕掛けになっているうえ、各階にちょっとしたミュージアムショップもあってつい足を止めて財布の紐が緩んでしまうという落とし穴もある。

青銅器のコーナーでは人間1人がすっぽり入るような「鼎」(ものの煮炊きに使う鍋のようなもの)や動物の形をした鍋があったりして、古代の人々の生活が目の前に浮かんでくるかのようだ。そうかと思うと書のコーナーには唐宋時代以降の有名な書家の作品が陳列されている。そうかとおもうと翡翠や宝玉でできた印鑑のコーナーもあって、その装飾の緻密さに二度も三度も眼を惹かれてしまう。

などとのんびり見ていたら、あっという間に昼になってしまった。しかもまだ半分も見ていないのである。結局午後の予定を白紙にしてこのまま博物館を見てまわることにした。(残念ながら博物館の中にレストランはなかったので、茶室で中国茶とビスケットで休憩をした。ちょっとした軽食でも食べられるところがあればいいのにねえ)

ごごもひたすら歴史的文物との御対面である。少数民族の衣装あり、古銭ありとバラエティに富んでいる。なによりもいいのは、フラッシュさえたかなければ写真を撮ることが許されていることである。海外の博物館や美術館は大抵そうである。おそらく日本だけなのではないだろうか。撮影不可なのは。

しかし、よくこれだけのものを集めたと感心する。中国では古代の文化を学校ではあまり学ばない。漢詩や漢文にしても日本人の方がよく知っているくらいである。(それでも館内は閑古鳥の大合唱である。ほとんど人がいない。やっと見掛けたと思ったら、日本の染色関係の団体だった・・・) 途中、体調不良の私たちはちょくちょく休憩しながら、結局5時までそこにいた。充分堪能したと決めた私たちは博物館をあとにして、ホテルに向った。(この後の予定はバンドを散策することと、おみやげを買うことである)

一歩外に出てみれば二階建てバスが走り、おしゃれな服装をした女の子達が闊歩し、マクドナルドでバースデーパーティーを開いている子供がいる。こうして時というのは移り変わっていくものなのかもしれない。


盥の中に水棲動物がちりばめてあるもの。
上海博物館にて。


昔のお金。刀の形をしている。
こちらも上海博物館蔵。


これもやっぱりお金。
昔のお金は重かった?


玉仏寺にお参りする。
お祈りの仕方がよくわからないので
人のすることを見て真似するしかない…


街の中では自転車をよく見かける。
雨でも乗るところがスゴイ!


向こうに見えているのが博物館。
人民広場近くは、いわゆる繁華街となっている。


今や中国でもメジャーになりつつあるマクドナルド。
日本のものとはちょっと味が違う・・・


東方明珠テレビ塔。

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