■ 7月31日(日)
今日は5時半に起床。昨夜はコーヒーを飲んでテレビを見ているうちに、いつの間にか寝てしまった。やっぱり疲れていたのかも。
成都はさすが西の方にあるだけあって6時はまだ暗い。少し明るくなってからホテル周辺の散歩に出た。この間のワンコはいなかった。残念。市場を覗いたりしてから、先日見つけておいた鶏汁煎包のお店に入る。「焼けるまでちょっと待ってて」と言われるままに、席に座って待つ。7時になるとアツアツの煎包が出来上がった。見た目は上海の生煎にそっくり。味は、鶏スープのおかげであっさりしている。結構おいしい。3個で1.2元。安い!
ホテルに戻り、再び朝食。結構お腹はいっぱいなので、フルーツを中心に食べることにした。
今日の出発は8時。昨日行けなかった武侯祠に連れて行ってくれるという。武侯祠そのものは行ったことがあるんだけど、その横に昔風の土産物屋が並ぶ通りが完成したのだそうだ。武侯祠はさっと一回りだけして、横にできたという錦里という通りを端から端まで歩いてみる。最近、こういう昔風の街並みが流行ってるみたいだな〜
30分ほどで武侯祠の観光を終え、いよいよ臥龍に向けて出発である。宋さんの「一番速くても3時間以上かかります。山道が昨日の雨で土砂崩れになっていると、交通渋滞になりますからもっとかかります」という言葉にちょっとビビる。ということは、どんなに急いでも12時前には着けないってことね。最初は高速道路をブンブン飛ばし(←時速120km制限のところ、160kmくらい出てたよ……)、続いて細い山道へと入っていく。以前はもっと古くて狭い道を通らなければいけなかったらしいが、今年の5月に新しい道が開通したのだそうだ。新しい道はきれいで走りやすい反面、斜面がまだ安定していないために土砂崩れが起こりやすいのだという。うーん、それはヤバイぞ。そして、山道に入って30分。果たして車の流れが止まった。車が全く進まない。ドライバーの張さんは朝が早かったせいか、運転席で仮眠を取り始めた。ガイドの宋さんは新聞売りから新聞を買って読み始めた。私は後部座席でぐったりしながら外を眺めていた。「このまま12時まで動かなかったら成都に引き返します」という宋さんの言葉に、思わず涙目になってしまった。
実は一昨年の春、「世界ウルルン滞在記」で視聴者ゲストを募集したとき、私は臥龍の大熊猫研究中心でパンダの世話をするボランティアという企画で応募したのだった。そのときにパンダについていろいろ調べ、現在では野生のパンダは1000頭を切るまでに減ってしまったということを知った。パンダの里親制度について知ったのもこのときである。残念ながら私の企画は採用されず、別の局の別の番組で俳優の金子貴俊さんが同様の企画をおこなったらしい。悔しい!
さて、1時間半後、ようやく車が動き始めた。危ないところだった……(^^; 車が動くのがあと30分遅かったら成都に引き換えさなきゃいけないところだったよ……
その後は順調に走り、細い山道、凸凹の道もなんのその、時速60kmで走り抜けるドライバーの暴挙とプライド意地と技術によって、午後1時過ぎに臥龍に到着した。野生のパンダは標高4000〜5000mという高地に生息するという。このあたりの山のどこかにパンダがいる。そう思うと目がうるんでくる。モヤシの張さんに感謝である。さっさと昼食をとったら、いよいよパンダとの対面である。
門をくぐり、奥の方へ歩いていくと、早速1頭のパンダが笹をかじっている。その仕種はぬいぐるみそのものである。「パンダー!」と呼んでみると、パンダはこっちをじっと見る。ガラスの向こうではなく、生のパンダに大興奮である。今度は赤ちゃんパンダの飼育されているところに行ってみる。いる! ぐんにゃりとしたたれぱんだのような赤ちゃんパンダが2匹いるではないか! そのほわほわとした産毛とぺにょんとした風合いに、すっかりウットリしてしまった。周りの中国人たちも大喜び。「小熊猫!」「小熊猫!」と大騒ぎしている。をいをい、“小熊猫”はレッサーパンダだよ。(^^;
今回のツアーはパンダとの記念写真(200元)があらかじめ含まれているが、子供のパンダと5分間遊べるというサービス(500元=約7000円)を知り、早速その場で申し込んだ。宋さんが「え? ホントにパンダと遊びますか? 500元ですよ。別料金ですよ?」と驚く。この際、値段は問題ではない。この次はいつ来られるか分からない。この次も同じようにパンダと遊べるかどうかもわからない。そして、何よりも、ボランティアをしたいと思ったほどにパンダが好きなのだ。どうしてもここに来てパンダに会いたかったことを話しながら泣き出した私に宋さんは、「どうして泣きますか?
日本人はどうしてそんなにパンダが好きですか? 私が前回案内したお客さんも同じでした」とちょっと首をひねっていた。
そして。汚れないように割烹着と靴カバーをつけてパンダ幼稚園(子供パンダの飼育されている場所)に入る。飼育員のおじさんが口笛を吹くと、早速1頭の子パンダがやってきた。パンダ団子(笹や小麦粉、とうもろこしなどで作ったパンダの大好きなお団子)をもらって大喜びのパンダ。さらに2頭のパンダを飼育員が連れてきてくれた。どの子もパンダ団子に夢中である。(^^; ゴロゴロしてちょっと不器用なパンダに私も夢中である。ガイドの宋さんにデジカメを渡し、「あとで消せばいいから、とにかくどんどん写真を撮って!」と頼んだ。パンダは仰向けに寝転がったり、座って団子を食べたり、ぬいぐるみのようにおとなしい。ちょうど私のほかに西洋人の女の子もいたので、合計で10分くらいパンダと遊ぶことができた。パンダは私のことを木だと思ったのか脚に抱きついたり追いかけてきたりして、本当にかわいらしかった。元気で大きくなるんだよ。
あっという間の10分が終わり、今度は子パンダと記念撮影。団子を飲み込むたびに、次の団子を所望する現金なパンダにちょっと笑ってしまった。パンダにすっかり夢中の私を見て、宋さんは滞在時間を少し延ばしてくれた。最後に入口のところで記念撮影をしてパンダ研究センターを後にした。
帰りの道は順調で、あっという間に都江堰についた。何とか閉園までに間に合ったので、古代の治水事業の素晴らしさを見ることができた。内江と外江に分けるまでは河の氾濫がひどかったが、治水を行うことによって成都は豊かな「天府の国」となったのであった。その人工の河は水の流れを妨げることなく造られており、2000年経った今でも十分機能しているのだそうだ。ただし、私の全精力はパンダのところで使い果たしてしまったので、都江堰についてはあまり印象に残っていない。せっかく連れてきてくれたのにゴメンナサイ。m(_ _)m
そして。ホテルに帰ってくると、もう20時半。ホテルの隣りの四川賓館で夕食である。宮爆鶏丁(鶏と落花生の炒め物)などの四川料理をいただく。ここでふと、思いついて宋さんに「そういえば四川の人って香菜は食べないんですか?」と聞いてみた。今まで食べた料理には一切香菜が入っていなかった。できるだけ地元の人が食べるものをとお願いしたのに香菜が使われていないということは、四川料理では香菜を使わないということなのだろうか。すると宋さんが「食べますよ。香菜はよく使います」と言う。え〜、だって今まで全然出なかったじゃん。「だって日本人は香菜が嫌いでしょう?」と不思議顔の宋さん。「私は香菜が大好きなんです!
日本でも香菜を大盛りで頼んじゃうくらい好きなんです! 日本人でも香菜の好きな人は多いですよ」というと、早速香菜を注文してくれた。そうか〜、私に気を遣って香菜を出さなかったのね。最初に言っておけばよかったな〜
食後、宋さん、張さんと別れて、近くの百貨店に買い物に行く。中国の百貨店は地下が食品スーパーになっているので、ここでいろいろと購入。一気にスーツケースが重くなりました。
今日は23時半に寝ましょう。明朝は6:15に出発です。
[本日の教訓]
* パンダに会うには忍耐が必要。
* ここぞというときには思い切ろう。
(旅行中の日記を再構成しました)
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朝のお散歩で見つけた市場。
新鮮な野菜が揃ってます。
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一昨日見つけた「鶏汁煎包」のお店。
鶏肉であっさりしています。
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再びホテルの朝食。
今日2回目の食事です。
旅の間は本当によく食べてます。(^^;
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武侯祠にもちょっとだけ行きました。
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3年前にも来たことがあるので
このあたりは簡単に見て回ることに。
朝なので人がいなくてよかった!
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横にはちょっと古そうな街ができていました。
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高速道路の料金所。
これから臥龍へ向かいます。
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山道は雨のために土砂崩れ。
車の流れが止まっています。
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工事にいそしむ人たち。
もっとしっかり仕事して〜〜〜(T_T)
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崩れたばかりのところ。
5月に開通したばかりの道らしい。
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5時間かかって臥龍に到着。
昼ごはんはまず回鍋肉。
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食事をたっぷり食べた後は
いよいよパンダに会いに行きます。
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あの門をくぐれば
臥龍大熊猫研究中心。
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早速パンダちゃん発見です。
「アッカンベー!」ってしてるの?
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やっぱりパンダには笹だよっっ!
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これはパンダの大好きな
パンダ団子。
栄養もたっぷりです。
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すっかり弛緩して眠るパンダ。
野生動物がこれでいいんでしょーか?
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木の股にひっかかったパンダ。
お尻のタレ具合が微妙です。
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パンダ幼稚園では子供のパンダが
ゴロゴロしていました。
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安心しきって眠っています。
あとで一緒に遊ぼうね。
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保育器の中で眠る赤ちゃんパンダ。
ちっちゃくて手のひらにのるくらい。
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こちらの子は、ちょっと毛が揃ってきました。
尻尾はやっぱり白いですね。
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意外と不器用なパンダ。
パンダ団子を落としたら、
なかなか自分では見つけられないらしい…
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パンダが腕に体重をかけてきました。
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手元の携帯電話で撮影。
パンダちゃんが目の前で喧嘩してます。
ぬいぐるみみたいでかわいいよ〜
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パンダにすっかりなつかれました。
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パ…パンダくん、何をしたいの?
私の頭をなでてくれるわけ?
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すっかりお友達になりました。
大きく育つんだよ。
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喧嘩する子パンダ達。
なんだかほのぼのしてるな〜
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赤ちゃんパンダがあくびしてる!
か…かわいいじゃん……
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張主任が見せてくれました。
赤ちゃんパンダの写真です。
いいなあ、それ、一枚ほしいなあ。
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帰りに成都市郊外の都江堰へ。
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向こう側が外江、手前が内江です。
内江は人工の河です。
中国人は自然を治めるのが大好き。
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内江と外江にかかる橋。
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9時を過ぎて晩ご飯。
今日もたっぷりいただきました。
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これは清湯麺。
つるつるいくらでも食べられます。
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「クイール」の映画看板。
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青島ビールとスプライト。
スプライトはレモンミント味です。
日本でも売り出せばいいのにな〜
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