九寨溝 3日目〜

■ 729日(金)

昨夜は酸素が足りないせいか、息が苦しくて寝られなかった。これが高山病というものか。結局、朝7時に目覚ましをかけたのに、6時半には起きてしまった。ホテルの周りのお土産屋さんを覗いたりして散歩したら、朝ごはん。今日は青空が広がっている。一晩起きてみれば、あれほど苦しかった呼吸も、それほどではない。どうやら体が環境に慣れたらしい。なんとなくいい一日になりそうだ。
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時にホテルを出て、車で九寨溝に向かう。ホテルは九寨溝のすぐそばにあるので、20分くらいで着いてしまう。車は九寨溝の自然風景区には入れないので、入口より少し離れたところで車を降りる。チケットを買って、いよいよ九寨溝の中に入る。ここにはチベット族の村が9つあるので「九寨溝」の名前がついたという。「寨」というのは村のことだ。
九寨溝の中はY字になっていて、往復で98kmくらいあるらしい。まずは天然ガスで走るバスに乗って、Y字の左の終点まで行く。だいたい30分くらいで終点の長海に到着である。途中に見える山と湖。ちょうど無風だったせいか、湖には山の姿がくっきりと映り、まるで鏡を見ているかのような錯覚にとらわれる。思えば私は3年間、ここに来たいと願っていた。今、ようやく九寨溝にたどり着いたのだなあ、そう思ったら、なんだか泣けてきた。危ない、危ない。まだまだお楽しみの景色はこれからだ。
ようやく長海に着くと、そこは青い湖面を見せていた。山の雪解け水がたまり、ここから地下を通って水は下の湖へと流れていくのだ。どこまでも澄んだ水が広がっている。空も青い。うん、きっと私の行いがいいせいだな。するとすかさず宋さんが「それはどういう意味ですか?」と聞く。普段の行動や心がけがいいから、ここ一番というときにうまくいくという意味だと教えると、「なるほど」と納得していた。いや、私の行いにではなく、言葉の意味にである。
長海から五彩池に降りていくと、これまた変わった風景に行き当たる。見る場所によって色を変える水。宋さんに聞くと、「“鎂”が含まれているからですよ」という。“鎂”って何? あとで辞書を調べなきゃ。
ずっと歩くと時間がかかるので、再びバスに乗って、Y字の真ん中辺りまで下りる。九寨溝の中で一番幅の広い滝といわれる諾日朗瀑布を見にいくと、壮大な滝が音を立てて流れ落ちていた。うーん、なんだかマイナスイオンたっぷりって感じだなあ。やっぱり滝って気持ちいいなあ。飛沫がまた気持ちいい。天気がいいので結構日差しがきついところに水の飛沫が飛んでくると、実に爽快な気分になるのだ。ここを去るのは名残惜しいが、そろそろ昼食の時間だというので、ブッフェスタイルの昼ごはんを食べに行く。山の上は気圧が低いので、沸点は100度まで上がらない。そのため、ご飯を炊いてもボソボソにしかならないので「ここのはあまりおいしくない。成都のご飯の方がおいしいです」と宋さんは言う。うーん、でも、成都のご飯より日本のご飯の方が、もっとおいしいんだよね。ぜひ宋さんにも日本の米を食べてもらいたいなあ。
食後、ちょっとお土産屋さんをひやかし、再びバスに乗って、今度はY字の右の方の終点まで行く。ここには原始森林が広がっていて、まさに手付かずの森林が残っているらしいのだが、「ここから先は、行ってもここと風景は同じ。さあ、戻りましょ」と宋さんがいうので、もと来た道を引き返し、またバスに乗った。下りてくる途中には、パンダが水を飲みにきていたという熊猫海、池のそこに虎が寝ているような模様のある老虎海、様々な色に変化する五花海、鏡のように湖面の反射の美しい鏡海など、見所が続いている。そのたびごとにバスを降りては絶景を歩き、自然の残る風景を堪能した。途中、チベット寺院に寄ったりして山を下りると(といっても、標高は2000m以上ある)、時間は17時。ちょど予定通りというところだ。
今夜はチベット族と羌族の歌と踊りのショーを見にいくので、ちょっと早めの夕食。キュウリ、茄子、苦瓜、冬瓜、ウサギ肉などなど、体によさそうなものばかり。たっぷりたいらげて、隣のホテルの敷地内にある劇場に移動する。入口では、民族衣装を身につけたおねえさんが、一人ひとりに白いスカーフをかけてくれる。客が揃うのを待って始まるステージ。歌あり、踊りあり、ちょっとした余興ありという感じで、にぎやかな舞台であった。日本の舞台だと静かに見入るという感じだけど、中国の舞台は観客参加型なんだよね。
ホテルに戻ると早速湯船にお湯をはって、風呂に浸かる。あ"〜、極楽、極楽。とりあえず、自分で脚を揉み解してマッサージする。昨日、今日とよく歩いたもんな〜 体もこの環境に慣れてきたし。そうそう、“鎂”を調べてみるとマグネシウムだった。明日、宋さんに教えてあげなきゃ。
今日も23時くらいに寝ます。よく眠れそ〜!

[本日の教訓]
* カメラにはPLフィルターを装着しよう。
* 甘いおやつを持参しよう。

(旅行中の日記を再構成しました)


今日の朝ごはんは中国風。
昨日とホテルが違うからね。(^^;


今日はこんなに晴れてます。
幸先いいぞ!


ホテルの周りは観光地区。
土産物屋さんばかりです。


九寨溝に着きました!
これから絶景を廻ります。


九寨溝の略図。


天然ガスで走るバス。
観光保護のため、
天然ガスを燃料とする車しか入れない。


長海付近は絶好の記念撮影場所。


もっとも高い位置にある長海は
標高3100mくらい。
そして長海はもっとも大きい湖。


場所を変えると、
同じ長海でも湖面の色が変わる。
この辺りが不思議なところ。


遊歩道はきれいに整備されている。


絵を描いている人も!
私は写真だけで失礼します。(^^;


湖畔に咲くアザミ。
九寨溝は黄龍に比べて植物も多い。


長海から降りてくるとあるのが五彩池。
天気によって色を変える。


水の底までよくみえる。
お金を投げている人もいた……


諾日朗瀑布。
九寨溝で一番横幅が長い。


昼食はバイキング形式。
宋さんは私よりてんこ盛りにしてました。(^^;


昼食を取った場所には
お土産屋さんも併設されている。


天気がよくてよかった!
昨日も晴れてたらよかったのにな〜


熊猫海には昔パンダがいたらしい。
ここに水を飲みに来ていたんだって。


「裸鯉」と呼ばれる魚。
それぞれの湖・池から一生出ていくことはない。


七色に輝く五花海。
湖面の反射が憎らしいくらい。


倒れた木は腐ることなく
いつまでも水の中に佇んでいるかのようだ。


どの湖もどの池も
とにかく驚嘆するばかり。
ぜひもう1度行ってみたい。


川の流れで自動的に回るマニ車。(^^;


九寨溝中で最大のチベット族の村。
こうした村が9つ集まっている。


村の中はほとんどが観光地化している。
土産物を売る店ばかりだ。


このバスはトイレバス。
中に女性用と男性用のトイレがある。


チベット仏教の扎如寺。
去年修復が終わったという。


異様に長い線香……


ちょっと早めの晩ご飯。
キュウリ、茄子、冬瓜、茎レタス、
ウサギ肉、豚皮など。


夜はチベット族のショーを見に行きました。
ヤクの肉、お茶、お酒が用意されています。


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時間ほどのショーは盛り上がりました。
きらびやかな衣装がきれいだった!


夜のおやつタイム。
チョコレートとコーヒーです。


「クイズ・ミリオネア」そっくりの番組。
ただし、4択ではなくて5択でした。

 

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