■ 7月28日(木)
朝6時に目覚ましをかけ、ぴったり起床。朝食前にホテルの周りを散歩することにした。……でも、まだ暗いんだよね。6時半くらいにようやく明るくなってきたので、貴重品だけ持って外に出た。ホテルの横には携帯電話ばかりを扱う店が並んでいて、そのもう1本向こう側に、食べ物を扱う店が並んでいた。あ、いい店発見! 鶏汁煎包だって。これ、今度食べにこよう。
通りを端から端まで歩いて、ホテルに戻ってきた。朝ごはんは結構豪華。洋食と中華の並ぶブッフェ台。早速オムレツを焼いてもらい、外の見える席でいただいた。食後、ホテルのカウンターで日本円のエクスチェンジを試みる。レートを見ると7月22日のものだ。1万円で708元。昨日の時点では1万円が690円台に下がっているはずなので、ここで換えておいて損はないはず。とりあえず5万円を換金することにした。
8:45にロビーで宋さんと待ち合わせ、車で空港に向かった。ここで驚いたのは、成都の空港は「国際線」「国内線」に加えて「省内線」があるということ。省内線は建物が別で、こじんまりとしている。今日は九寨溝の空港なので、当然省内線である。ここまでは順調だったのに、11:15の飛行機は約30分の遅れで飛び立った。成都から九寨黄龍空港へは40分の旅。以前は9時間かけて車で移動していたことを考えると天国のようだ。12時半に空港に到着し、車が来るまでしばし待つ。空港は標高3500mくらいのところにあるので、飛行機から降りた瞬間にめまいがする。酸素も薄いのを感じる。天気の悪い日に起こる頭痛のような頭の痛さも感じる。うう、これから黄龍に行くのに大丈夫かな〜
結局車が来たのは13時頃だったので、川主寺(空港のふもとの村)で昼食をとることになった。私と宋さんと運転手さんの3人なのに、山ほどでる料理。絶対食べ切れません! 食事をして休憩をとったら、いよいよ黄龍に出発である。ここからは1時間半くらいの道のりだという。気づいたら私は寝てました。(^^;
「着きましたよ!」と起こされ、車を降りてみる。おお、これが黄龍か。しかしすごい人だな〜 景色を見に来たんだか、人を見に来たんだか。とりあえず宋さんにチケット買ってきてもらい、入場する。「今まで180元だったのに、200元に値上がりしてました!」という。うーん、これだから中国って……
入口のところで標高約3200m。ここから奥までは4200mほどあり、一番高いところで標高が3700mになる。これは軽い登山である。ちょっと歩くだけでも息が苦しい。走るなんてもってのほかだ。遊歩道はきちんと整備されているが、何しろ人が多いので歩きにくい。他の人のペースに合わせながらのろのろ登っていく。すると、ちょっと歩き始めただけなのに、すでに見所満載。曇り空にも関わらず、水は澄んでいて不思議な光景が広がっている。カルシウム分を多く含む水は黄色みを帯びている。結晶化したカルシウムは、倒木にこびりつき、水の中でカルシウムの樹木を形成している。この世の風景とは思われないほどだ。これで天気がよかったら! 山の上の方に登るにつれて、雨が降り出してきた。早速持ってきたレインコートを着るが、夏というだけあって、それほど寒くはない。途中のチベット寺院でお祈りをし、マニ車を回す。ようやく五彩池に到着したとき、すでに2時間が経っていた。五彩池は本当に色とりどりで、青い部分、緑の部分、黄色い部分などに分かれている。同じ水が流れているはずなのに、どうしてこんなに色が変わってしまうんだろう? ここで束の間の休息を味わい、下まで一気に下りてきた。往復で2時間半。ちょうど18時を過ぎるところだった。
車のところに戻り、ホテルまで直行する。ここからは2時間半くらいかかるという。道も暗くなり、軽登山の疲れと酸素不足もあって、私は車の中でうとうとしてしまった。気づくと景色が山道から土産物屋の並ぶ観光地に変わっていた。「もうすぐ着きますよ」と言われ、きょろきょろしていると本日の宿が見えてきた。今日、明日と泊まるのは新九寨賓館。わりときれいな四つ星クラスのホテルである。チェックインして部屋に荷物を置きにいく。1233号室というから12階かと思ったら、1号館の2階でした。(^^; そういえば、そんなに高い建物じゃなかったな。すぐ気づけよ。>自分
荷物を置いたら、すぐに夕食。今度は宋さんと私の二人だけである。すでに21時近いので、ホテルのレストランは閑散としている。できる料理も限られているらしい。「麻辣豆腐にしたかったけど、もうないって言われました」と、ちょっと残念そうな宋さん。それでも、貴州省と四川省の郷土料理である「粉蒸排骨」はしっかり注文してくれた。学生の頃、寮生活ではロクな食事が出ないので、いつも休みのときに実家に帰ると、大きな鍋いっぱいに「粉蒸排骨」を作ってもらって寮に持ち帰り、部屋のみんなで1週間くらいかけて食べたのだという。当時はまだ肉が貴重で豆ばかり入っていたので、みんなで豆を穿り返し、肉を選んで食べたのだそうだ。宋さんにとっては青春の味なのだろう。また、「粉蒸排骨」は保存食としても利用されており、一度作ると1年間くらいは保存がきくらしい。甕いっぱいに作っておき、食べるときにもう一度蒸すのだそうだ。何事にも勉強熱心な宋さん、「“排骨”は日本語で何と言いますか?」「うーん、スペアリブかな」「スペアリブですか。今までずっと“骨付きの肉”と説明してました」などと、事あるごとに日本語での適切な言い方を質問してはノートにメモを取っていた。私もそういうのは嫌いな方ではないので、いろいろ余計な日本語まで教えたりして話ははずんだ。
今は23時。疲れたからもう寝まーす。
[本日の教訓]
* もしものために酸素は持ち歩こう。
* 黄龍にには体を慣らしてから登ろう。
(旅行中の日記を再構成しました)
|

この像には見覚えがあるぞ!
|

成都の朝は遅い。
6時過ぎてから明るくなってくる。
7時頃から人通りも多くなる。
|

もう少しすると朝ごはんを食べに来る人で
この辺りもにぎわうはず。
|

ウサギの肉をペロペロなめるワンコ。
鶏にも威嚇されていました。
|

朝ごはんにオムレツを。
さすが五つ星ホテルです。
|

ホテルのロビーもきれい。
こういうところは気分もいいですね。
|

省内線のカウンター。
ほとんどが九寨溝行きです。
|

省内線の空港は小さい……
大丈夫かな〜
|

機内のおやつ。
かなり中国風のおやつですね……
|

九寨黄龍空港に着きました。
タラップを降りて空港の建物に向かう。
|

昼ごはんは3人なのにたっぷり……
どう見たって食べきれないよね。
|

黄龍の入口には郵便局もある。
ここから記念の葉書を出すのね。
|

カルシウムで黄色い滝。
|

エメラルドグリーンの水を
満面にたたえた池。
棚田のように重なっている。
|

ミネラル分が多いので飲めないけど
本当に澄んだ水です。
|

とにかく観光客が多い。
歩くのも大変なほど。
|

ゴミ箱も整備されてます。
ちゃんと分別して捨てましょう。
|

体力に自身がない人は片道220元、
往復400元で籠に乗ることも可能。
|

黄龍の頂上付近にあるチベット寺院。
|

マニ車を1回回すと1回読経したことに!
|

黄龍の終着地である五彩池は
もうすぐそこに!
|

太陽の光線の具合によって
刻々と色を変える五彩池。
|

このあたりは黄色い水。
本当に不思議な世界。
|

池の中に倒れた木にも
カルシウムがこびりついている。
|

同じ五彩池でも、
このあたりはブルーの水をたたえている。
|

この透明度の高さ!
手を触れることができないのが残念。
|

池の真ん中の島から木が生えている。
このあたりは標高3700mくらいなのに……
|

このあたりはグリーンに輝く。
これで天気がよかったら……
|

今日の晩ご飯は少なめに。
……って、これで2人分だよっ!
|

ガイドの宋さんの思い出の味「粉蒸排骨」。
四川や貴州では保存食にするという。
|