今宵出船かお名残惜しや
〜5日目〜
朝起きると船は停まったままだった。朝食後すぐに船を下り、そのまま三峡ダムを見学に行くのだ。にっくき三峡ダム。このせいで三峡の数々の歴史遺産が水に沈み、このせいで三峡クルーズの船旅の値段が高騰した。長江の氾濫に生活を脅かされていた人々はさぞかし大変だったと想像するが、それでも、このダムで本当にそういった恐怖が取り除かれるのか疑問である。ここまで多くのものを犠牲にして工事を進め、これですぐにでも長江の水害が起こったりしたらどうするのであろうか。 さて。そんな三峡ダムを見学し、船の中で知り合った人々とチェスをしたり、コーヒーを飲んだり。そうこうしているうちに、いつの間にか夜になり、「ああ、いよいよみんなともお別れだねえ」という雰囲気になってきた。はじめは物珍しそうに、ただ遠くから見られていただけ私も、「船内唯一の日本人」ということで、「日本語を教えて欲しい」「日本はどんなところか」などと話しかけられるようになった。船の旅は予想外に楽しくて、トニー一行には、本当によくしてもらった。この日の夕食もいっしょにとり、テーブルに乗り切らないほどのスープと料理が並んだ。 [教訓] |
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三峡ダム。 ずいぶん工事も進んでいます。 |
今年がリミット。 来年からはダム工事は次の段階に。 |
葛州[土覇]ダム。 ロックゲート式のダムを船は通過します。 |
船での最後の夜。 フェアウェルパーティーが催されました。 |
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