もしトロイのヘレンの鼻が……
〜4日目〜
朝、ご飯を食べていると東洋人が英語で相席を求めてきた。それがジョンだった。トニーとジョンの兄弟(どっちもいいオジサン)とヘレンの一行はフィリピンから来たという。一緒に朝食をとりながら、人参茶だのピータンだのをご馳走になり、ついに夕食の招待も受けてしまう。4日間、同じ船に乗り合わせたのも何かの縁だ。昨日コーヒーに誘われた上海人のグループは今一つ信用できなかったが、トニーの一行は親切だし面白い。 朝食を終えて4階の甲板に行くと、そろそろ三峡に入るところだった。ガイドは中国語か英語しかなく、私は見晴らしのいい場所で英語のガイドを聞いていた。瞿塘峡と巫峡を続いて通過する。昨日まではあんなに広かった長江が、急に狭くなったようだ。行き止まりかと思うと、急激にカーブしている流れは本当に不思議な世界だ。白帝城を見逃してしまったのが痛いが、それでも雄大な自然をのんびりと眺められてよかった。 途中、また船を下りて神農渓を小船で通った。男4人で15人乗りの船を操る。狭い場所や浅いところは船を紐で引っ張る! 澄んだ水の流れる川を進んでいくと、そこは別世界。いや、別の意味でも別世界だった。観光客目当てのお土産屋が所狭しと並んでいたのだ。あー、せっかくの景色が。 船に戻ると今度は西陵峡を通過する。ところがここで雨が降ってきた。土砂降り! 私が何か悪いことでもしたというのか〜っ その雨もすぐにおさまり、私の日頃の行いのよさがハッキリする(しないって)。今夜はこの西陵峡の途中で停泊し、明日、三峡ダムを見学する。 船の中では徐々に知り合いも増えて、だんだん楽しくなってくる。夕食はトニー、ジョン、ヘレンに加え、リンダとアレクス(ともに中国人)と一緒にテーブルを囲む。我々のテーブルにはすでに別注文の料理が並び、蛇のスープだの豚のあばら肉の煮込みだのをご馳走になった。 [教訓] |
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いよいよ三峡。 まずは瞿塘峡から。 |
瞿塘峡は割と短い。 約8kmに渡って峡谷が続く。 |
そして巫峡へ。 船は進み、全長44kmの峡谷を進む。 |
麗しい渓谷。 緑の峡谷や、人の顔の形の山が続きます。 |
木の小船に乗り換えて。 神農渓を見学します。 |
今まで以上に狭い渓谷を ひたすら船で奥へと進みます。 |
澄んだ水。 ここまで来ると本当に水がきれい。 |
西陵峡。 ここが三峡一番の難所です。 |
全長76km。 西陵峡の向こう側は霧に霞みます。 |
西陵大橋。 今夜はここで停泊します。 |
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