桃園の誓い 〜2日目〜

私が中国と関わるようになったのは、中学生の頃に「三国演技」や「水滸伝」などを読んだから。大学時代は杜甫や李白の詩を読んで、不遇の詩人の身の上に涙した(←大袈裟)。そんな私にとって、四川は憧れの場所だった。「いつか成都に行くんだ」「三国志の故郷、蜀の地に行くんだ」「杜甫や李白の足跡をたどろう」「成都で麻婆豆腐を食べるんだ」最後のはちょっと違うが、まあそんなことを考えて、四川に行く日を夢見ていた。

さて。7月24日。いよいよ成都の市内観光。朝はホテル周辺を散策。近くの市場で唐辛子だの花椒だのを眺めたりして過ごす。そして、朝食後に行動開始。タクシーを拾って、まずは「杜甫草堂」へ。ここに杜甫が住んだ期間は短いらしいが、それでも、「ああ、ここで過ごしたんだね」と感慨もひとしお。でも、草堂というわりにはすっかりきれいに整備されていて、ついうっかりお土産も買わされそうになり、ドキドキした。続いて「武侯祠」。ここは主君である劉備と、臣下である諸葛亮が一緒に祀られているという珍しい場所である。劉備が日本人に人気があるのはわかるが、中国人にも割と人気があるらしく、観光客でいっぱいだった。その中で、劉備の眠る小さな塚だけが静寂を保っていた。

午後は成都から重慶に移動しなければならない。さあ、どうするか。実は朝、バスターミナルに行き、「午後1時頃のに乗りたい」と言って切符を買おうとしたところ、窓口のおばちゃんに「1時に乗るなら1時に来い」と言われていた。早めに行かなくていいのか、そんなにギリギリに行っても席があるのか、さっぱりわからなかった。とりあえず12時頃にもう一度行くと、またまた朝のおばちゃんが「1時に乗るなら1時に来いって言ったでしょーがっ」と怒るのだ。……だって、心配なんだもん。結局バスターミナルの快餐で軽く食事をして時間を潰す。そのあとで窓口に行き、ようやくバスの切符が買えた。すぐに売店の公衆電話から、重慶の旅行社にバスの出発時間を知らせる。実は三峡下りのチケットを受け取るために、重慶の担当者と待ち合わせていたのだ。やっと連絡も済み、ほっとしてバスに乗る。バスは意外と豪華で、冷房付き、トイレ付き、水ボトル付き。恐らく値段に比例して運賃50元のバスはオンボロで、私の乗った105.5元のバスは超豪華なのであろう。バスは高速道路をブンブンぶっ飛ばし、約5時間で重慶のバスターミナルに着いた。

ところが旅行社の人間が見当たらない! しばらく待っていても現れる気配がないので、電話をしようとしたところ、「Are you a Japanese?」と声をかけてくる男がいた。よくよく確認してみたら、この人が旅行社の人だった。おいおい、英語で話しかけるなって。そのまま埠頭まで連れて行ってもらい、船にチェックイン。今夜はここで泊まる。夕ご飯を食べに外に出ようとしたら、船のフロント係に「危ないから」と止められた。しかも、最初シングルの部屋に案内されたのに、「お前はツインの部屋で別の人と相部屋だ」と言われた。ちょっと待て。私は日本で一人部屋を予約してきている。4泊するのに人に気を遣うのはいやだからと、わざわざ高いお金を払って一人部屋を予約したのだ(相部屋と一人部屋では値段に6万円くらいの差があった)。領収書を見せて抗議したものの、部屋は二人部屋に移された。かなりムッとしながらルームサービスを頼み、42元もするサンドイッチと25元もするビールを夕食として食べた。あー、ムカツク!!

[教訓]
成都の街中は広い。どんどん(小型)タクシーを使おう。
高速バスは乗る時間のちょっと前に行けば大丈夫。結構豪華だ!

 

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中国レタス。
この茎を生や炒めて食べる。うまい!


でかい唐辛子。
辛いのや辛くないのや、赤いのや緑のや……


市場で肉を解体。
豚肉の脚が、妙になまめかしい。


杜甫草堂。
ここが北門だというのは後で気付きました。


ハスの花。
今を盛りに満開でした。


緑の池。
びっしりと藻が生えてるのね。


屋根の飾り。
なんだか表情がお茶目です。


武侯祠。
劉備と諸葛亮を祀ってある場所。


ここも武侯祠。
観光客でいっぱいでした。


劉備の墓。
二人の夫人と共に静かに眠る……

 

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