九份 4日目〜

127()】 雨

昨日は買い物で荷物が大幅に増えたので、
夜中にスーツケースに入るかどうか試してみました。
……
入ったけど、これ以上は入らない。(笑)
これ以上何も買えません!
#
そりゃあ、インスタントラーメンを10袋も買ったからだろう。
エンちゃんのスーツケースもすでに満杯。
ということで、「何も買わない」と誓い合いました。
これが世に言う「台北、スーツケースの誓い」です。(≧∇≦)

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まずはいつものように食事へ。
今日は十分と九
に行くので、早めの出発です。
とりあえずしっかり食べておかないとね。

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お気に入りの落花生と山クラゲもてんこ盛りで。(笑)

まずは菁桐に向かいます。
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列車で行こうと思っていたのですが、
乗り継ぎのことを考えて、とりあえずはタクシーで
一番遠い菁桐まで行くことに決めました。
そこから平溪線というローカル線と国鉄を乗り継いで、
徐々に台北まで戻ってくる算段です。
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菁桐までは30分。
あっという間に着いちゃいました。
ここまで乗せてくれた運転手さんは
「ここでちょっと遊んでいく」って言ってたな〜
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私たちは、列車の時間まで、その辺りを散歩することにしました。
この辺りには、昔の日本の建物もあったりして、
日本の田舎を彷彿させる風景が広がっています。
すごく懐かしい。
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駅に向かう途中、竹がぶら下がっている塀を見つけました。
近づいてみると、いろいろな願い事が書いてありました。
ようするに、絵馬みたいなものね。
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この辺りは天燈が有名で、
天燈をモチーフにした飾りが売られていました。
そして気付いたら、その飾りを両手に握り締めて、
店のおじさん相手に値切ってました。(≧∇≦)
「買わない」って決心はどこへやら。
もちろんエンちゃんも2つ握り締めて、値段交渉。
私が執拗に値切るので、店のおじさんは
エンちゃんにこっそりと「あの子も中国人か?」
って聞いていました。
そういうことは私に直接聞いてください。(笑)

さらにぶらぶら。
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ようやく駅に到着。
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小さくてかわいらしい駅です。
もちろん無人駅。(笑)
切符を買おうと思ったら、「列車の中で買ってくれ」と言われました。
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あまりに静かでのんびりしているので、
ホームから線路に降りてぶらぶらしていたら怒られました。(^^;)
あ、降りちゃいけなかったのね。

しばらく待っていると、ようやく列車が到着しました。
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このローカル線は単線なので、12時間に1本しかありません。
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中に入って、キャアキャア言いながら写真を撮っていると、
車掌さんが近づいてきました。
「ひぃ〜〜〜っ、騒いでたから怒られるのか!?」
とドキドキしたのですが、
「一番前のほうが景色がいいから前においで」
と言ってくれました。
やさしい〜〜〜!2009_01271037.JPG
そして小さなローカル線の旅が始まりました。
雨が降ってなければもっとよかったのにね。
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列車は菁桐を出て、平溪、嶺脚、望古に停まり、
あっという間に十分に着きました。
まずは駅で切符を買わなくては。
車掌さんに「1日周遊券が欲しい」と言うと、
「車中では買えないから十分の駅で買いなさい」って言われたのよね。
なんてのんびりした態度でしょう!(笑)
運転士さんなんかカメラを構えるとポーズをとってくれたし。
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この平溪線は地元の人たちにも人気らしく、
正月だというのに、大勢の乗客が乗りに来ていました。
列車が出て行くとき、手を振ると、
あの運転士さんも手を振り返してくれました。
ああ、のどかだ!
私、いっぺんに平溪線のファンになっちゃいました。
鉄道マニアでなくても、おすすめのローカル線です!

次の列車までは2時間半あるので、
十分の街を散策しに出かけました。
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早速、懐かしいポストを発見!
日本も昔はこんなポストだったよね〜
線路際まで品物を置いている八百屋さんも!
これは列車がほとんど通らない線路だからこそできること。
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「阿媽の天燈」という店を見つけたので寄ってみました。
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たくさんの天燈と天燈飾り。
阿媽のお孫さんは日本で暮らしているそうです。
年齢的にも日本統治の時代を経験している阿媽は
日本語も少し話すことができました。
「哈日族」と呼ばれる日本大好きな若い女の子と違って、
この年代の人たちが日本語を話すのは
やはり少々複雑な気持ちになりますね。
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ぷらぷらと歩いていると、本当にのどかな風景で
気持ちまでゆったりしてきます。
台北市内は東京の繁華街にそっくりだったのですが、
こちらは日本の田舎にそっくり。
台北も面白いけど、こういうのんびりした雰囲気もいいですね。
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しばらく歩いていくと、台灣煤礦博物館がありました。
ここで十分大瀑布への行き方を尋ねると、
ちょうど車で通りかかったおじさんが乗せて行ってくれました。
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十分瀑布の入口に着くと、天燈を飛ばしている人がいました。
意外と大きいのね。
外側には自分の願い事が書いてあります。
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この人たちの天燈は空高く上っていきました。
空高く上っているのはいいのですが、
中にはゆらゆらと低空飛行を続けた挙句に燃え尽きて落ちるのや、
飛ばしたとたんに木に引っかかって燃え尽きるものもあり、
彼らの願いの前途多難な様子を窺い知ることができました。(≧∇≦)
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飛ばす寸前に燃えてしまったものもありましたが、
こういう人の願いはいったいどうなるのでしょうか? (≧∇≦)

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橋を渡って十分大瀑布(=滝)の方へ歩いていくと、
折からの雨に足をとられ、私は石段で足を踏み外し、
派手に転びました。(^^;)
左手に傘、右手にデジカメ。
バランスがうまく取れず、デジカメを石段に激しく強打。
転んで打った膝の痛みよりも何よりも、
5
分ほど異様な音を出して唸り続けるデジカメに恐れをなしたのでした。
いや〜、どうなるかと思ったわ。
一切の操作を受け付けないデジカメ。
もはやこれまでか、と思ったとき、デジカメはようやくおとなしくなりました。
ちょっと操作してみると、何とか動く様子。
衝撃でパックリと割れてしまいましたが、
何とか写真は撮れそうな気配です。
#
税金の還付金が出たら、まずはデジカメを買うことにして、
#
それまではこれをだましだまし使おう……
十分大瀑布に行ってみると、事前情報の通り、閉鎖されていました。
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穴からこっそり覗く……
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ああ、見たかったな〜
近くで見ると、結構な迫力なんですって〜

そして、もときた道を引き返し、
駅のほうへと歩いていきました。
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さすが、天燈の町。
天燈の形のオブジェが……
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私はカレー味のパイを買ってみました。
カレーはほんのりした風味だけでしたが、結構おいしかったよ〜
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道端にはたくさんの露店が並んでいました。
食べたいけれど、列車の時間が迫っています。
これを逃せば、次は1時間後。(笑)
とにかく駅に向かいます。
あちこちの家の食卓の風景が、空腹を増幅するぅ〜〜〜

列車の時間にも間に合って、
ちょっとした買い物(絵葉書とか)をする時間もあって、
無事に瑞芳に着きました。
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ここから九
までは、バスで行くのですが……
雨の中、停留所でバスを待っていると、通り過ぎていくバス。
うぉー!
乗り場はここじゃなかったんだー!
さっき、地元の人に
「九
に行きたいんだけどここでいいのか?」
と聞いたら
「ここでいい」
って言ったんだよね。
停留所の案内には台北方面の時刻表しかなかったから
「本当にここか?」
って聞いたんだよね。
やっぱりここじゃなかったんじゃないかぁーーー!
何度か旅をしていると、だんだん勘が冴えてきて、
「ん? おかしいゾ?」みたいなのがピーンと来ます。
やはり私の勘は正しかったか。

そんなこんなで、バスをおいかけて
(当然、私たちに間違ったことを教えた夫婦も一緒に)、
全速力で走る〜〜〜!
ようやくバス停に着いてみると、長蛇の列。
結局そのバスには乗れませんでした。orz
そして、私はエンちゃんに提案。
「タクシーにしよう」と。
バスを待つ人の列に背を向けて、
近づいてくるタクシーに乗り込む二人。
見たか、円の力を! (円高、サイコー!)
こうして、土砂降りの中、悠々と九
に到着したのでした。

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といえば、映画「非情城市」の舞台にもなっていたし、
「千と千尋の神隠し」のモデルにもなった町。
ここに来るの、すごーく楽しみだったんだよね。
でも、雨が降って、満足度半減です。(笑)
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それでも、雰囲気は感じることができました。
とりあえずは、昼ご飯だよね?
雨も降ってるし、どこかで落ち着こう。
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ということで、「阿妹茶樓」に入りました。
まずはお茶で一息。
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こういう火鉢でヤカンを温めています。
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私たちは、一番高い「梨山烏龍茶」(1000元=約3000円)にしました。
これに、お湯代が一人100元。
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早速茶芸の作法でお茶を入れてもらいました。
まずは聞香杯でお茶の香りを楽しみます。
う〜ん、いい香り〜
リフレッシュする感じです。
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お茶うけの梅もつまんだりして。
そうこうしているうちに、料理が出てきました。
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これは前菜の盛合せ。
干豆腐、玉子、昆布の盛合せです。
昆布がおいしい。
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牛肉麺。
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宮保
丁飯。
結構大きめに切った鶏肉の歯ごたえがよかったです。
これは家で作ってみよう。
もうちょっと辛めにしてね。わら

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外はまだまだ雨。
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雨宿りがてら、年畫博物館に入ってみることにしました。
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年畫(年画)とは正月に飾る絵のこと。
ここでは昔の家の様子が再現されていました。
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素朴な暮らし。
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あんなベッドで寝てみたい!
数十年前、数百年前の生活に思いを馳せます。

外に出てみると、やはりまだ雨。
それよりも何よりも警戒警報だったのはデジカメのバッテリー。(^^;)
今回は予備を含めて2本のバッテリーを持ってきたのですが、
1
つはすでに今日使い切ってしまい、
もう1つのバッテリーも残量が残りわずか。
そりゃそうだ。
今日だけでもう400枚以上撮ってるもの。(笑)
残っているバッテリーを大切にしながら、撮影続行!
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ホントはね〜
雨でなければ眼下に海が広がっているのが見えるはずなんだけど。
実に残念です。
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まだまだ雨はやまないので、九
名物の「芋圓」を食べて休憩。
ハイ、ここでデジカメ完全に沈黙。(笑)
バッテリー残量ゼロ。
ここからは携帯電話のN906iが大活躍しました。
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芋圓(芋団子)です。
タロイモを使って作ったお団子は、なんと5色入り!
ほの甘いやさしい味でした。
そして、雨の中、いいもの(=買って帰るもの)を探して
ぶらりぶらりと歩き回りました。
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こんな感じの通りがずっと続いていて、
まさに「千と千尋の神隠し」の世界です。
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これは八仙果という漢方薬を練り固めた喉の薬。
龍角散を思い切り濃くしたような味でした。
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これは清蒸肉圓。
中には海老とひき肉が入っているらしい。
おいしそう〜
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これは愛玉の実。
「愛玉子」という名前の台湾風ゼリーがありますが、
その材料になるのがこの実です。
実をばらして水につけておくと、実の成分が溶け出して、
自然にゼリー状に固まるんですよ〜
砂糖などを入れると固まらなくなってしまうので、
甘みは食べるときにかけるシロップなどで補います。
なんでそんなことを私が知っているかというと、
昔、中国料理研究会の夏期講習の手伝いをしたとき、
講師に来たシェフが教えてくれたからだよ〜ん。
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これは糖葫蘆。
サンザシやイチゴの飴がけです。
おいしいよ。
そして、通りの外れまで行き当たりました。
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こんなところにもセブンイレブン。(笑)
ここからタクシーに乗って瑞芳の駅まで行くことにしたのですが、
「台北のホテルまで一律料金で行けるよ」ってことで
ホテルまで送ってもらうことにしちゃいました。
本当は国鉄に乗る予定だったけど、雨に負けた!
今度、天気のいいときに、国鉄&九
のコースをリトライしたいな〜

帰る道々で、タクシーの運転手さんが
「九
」の町の名前の由来を教えてくれました。
元々9戸しかなかった山村。
そこから毎日かわるがわるふもとの町まで買い物に来ていた村人が、
「米をくれ」「どのくらい?」「九
!(9人前)」
「食器をくれ」「いくつ?」「九
!(9セット)」
というような会話をいつもいつもするので、
いつのまにか「あの山に住んでるやつらは
だよ」
と言われるようになったんだそうです。
そこから村の名前も「九
」になったんだとか。
いいことを教わりました。
ありがとう。

そして、ホテルに戻って、まずはずぶぬれの服を着替え、
デジカメのバッテリーを最優先で充電。
実は、エンちゃんのデジカメもバッテリーがゼロになっていたのでした。
私が休憩している間、エンちゃんは近くの靴屋さんまで
靴を買いに出かけました。
どうやら私と一緒に旅行をすると、エンちゃんの靴は壊れる運命にあるようです。(笑)
#
西安に一緒に行ったときにも、エンちゃんの靴は崩壊した!

さて。
バッテリーの充電も終わったので、士林の夜市へGO
その前に、三越の本屋に寄って、エンちゃんのチビへのおみやげを買う。
「ママ、おみやげは本を買ってきて!」とチビが言っていたのだそうだ。
私も料理関係の本が欲しかったので、本屋に行くのは大歓迎である。
早速私はよさそうな本を何冊が見つけた。
台湾名物のビーフンや魯肉飯、
仔煎の作り方も載ってる!
これは買わなきゃ〜!
私もエンちゃんも目的の本を見つけてホクホクしながら夜市へ向かいました。
MRT
を劍潭駅で降り、夜市に直行!
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何を食べようかな〜
胡椒餅、食べたいな〜
……
ん?
胡椒餅がない!?
士林夜市には胡椒餅がないの???
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とりあえず、
仔煎を食べよう。
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イチゴジャムみたいな甘いソースがかかってる〜
これ、普通に酢醤油+ラー油の方がおいしいと思う。(笑)
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これこれ。
大きなチキンだよっ
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顔よりも大きい。(笑)
みんな並んで買ってました。
サクサクしていて食べやすいから、ペロッといけちゃうよ。
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ワンタンとワンタン麺。(笑)
ワンタンにかかってるピーナツダレがおいしい。

そろそろお腹もふくれてきたので、
通りをぶらぶら歩いてみました。
ペット市場もあったりして、かわいい犬や猫に和みました。
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これは衝撃!
螺旋状のポテトチップス。
いや、つながった1枚だからポテトチップなのか???(笑)
そんなこんなで気付いたときには23時を過ぎてました。
あら〜、遊んでると時間が過ぎるのが速いわ〜

ホテルに戻って、荷物の整理をしたり、
冷蔵庫に残っていた果物を食べたりしていると、
当然のように日付は次の日にまたいでおりました。(笑)
そうそう、「今日は買い物はしない」と誓っていたのに、
でかわいらしい袋をいくつか買ったり、
本屋で料理本を買ったりして、
あの誓いは全く守られることはありませんでした。
スーツケースの誓いはあっさりと破棄されました。(≧∇≦)


旅行中につけていた日記に加筆修正しました。
文中の中国語・地名・固有名詞等の漢字は
  可能な限り、台湾で使用されている繁体字を使用しました。

 

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