[シ刷]羊肉 〜3日目〜

今日は快晴である。
7時起床。なんとか遅刻せずに長城ツアーのバスに乗ることができた。これに乗ってさえ入れば、万里の長城と明十三陵(このツアーで行くのは定陵)に連れていってくれるのだ。素晴らしい。しかもたったの180元。そして昼食付き。タクシーをチャーターするよりずっと安い。ツアーガイドは中国語と英語で行われるので、中国語で聞き逃したところは英語を聞けばいい。なんて便利なんでしょう。今回のツアー参加者は25名。マイクロバスは満席である。
バスは調子よく走り、9時半頃に停まった。何かと思ってキョロキョロすると、翡翠の博物館らしい。ここで、翡翠の加工をしているところを見たり、お買い物をするのだと言う。Yちゃんと私は翡翠の良し悪しについてレクチャーを受け(「ホンモノの翡翠はガラスにこすりつけても傷がつかないのよ」と店のおねえさんは言っていた)、翡翠の腕輪のサイズを選ぶポイントを教えてもらった(指の付け根の節3本分の幅があれば、腕輪は入るのだと言う)。Yちゃんは実際に腕に翡翠の腕輪をはめられて、涙目になっていた。相当痛かったらしい。
10時頃に翡翠博物館を出て、いよいよ長城へ。ここで30元ずつ徴収される。どうやらソリのようなジェットコースターのような乗物で、長城の入口まで登るらしい。これが小さくて、今にも壊れそうで、非常に危険である。ひっくり返りそうになりながら長城まで5分ほどのドライブ(?)。ようやく長城に降り立ち、登城開始。ところがここで判明したのは、私が以前登ったことのある女坂の方は歩行禁止になっていて、男坂(傾斜が急な方)しか歩けないようになっていたのだ。仕方ないので、急な斜面と石段を、ヒーヒー言いながら登る。私はとっとと登って、早く休みたかったので、軽快なテンポで上まで登っていった。途中、Yちゃんが「先生、どうしてそんなに元気なのー?」と言うので、「若いから」と答えておいた。だんだん息が切れてきて苦しくなる。とにかく石段が狭くて急なので、途中で止まるとより危険である。脚がもつれそうになりながら、「あと1歩」「あと1歩」と思いながら登っていく。やっとの思いで、現在歩行できる一番高い場所に到達。ここまで来ると涼しくて気持ちいい。風が全身を吹抜け、汗がポトリと落ちる。この気持ちよさが頑張ったご褒美なのだ。苦しいことのあとには、必ずいいことが待っている。水は甘露のように喉を通り抜けていった。
さて。バスの出発予定は12:15だというので、また来た道を戻る。急斜面を登るのも大変だったが、それを下るのはもっと大変だ。疲れきった脚がガクガクして、思い通りに動かないのだ。それでも何とか転ばないように注意して、駐車場まで戻ってきた。バスの中では出発を待つ間、ツアーの代金が幾らだったかという論争に花が咲いていた。あるものは150元だったと言い、あるものは180元だったと言う。欧米人の客は200元払ったと言っていた。誰かがガイドに文句を言うと、「それはホテルの方で勝手に手数料を取ってるから、僕は知らない」と言っていた。そりゃあそうだろう。
バスはちょっと遅れて出発し、先程の翡翠博物館に到着。ここの2階が食事の場所らしい。全部で25名なので、8・8・9人に分かれて座る。私達は9人のテーブルについた。私の右はYちゃん、左は黒龍江省から来たおじさん3人、正面には香港から来た中年夫婦、その夫婦とYちゃんの間にはアメリカ人の従妹だという女性2人が座った。中国語、英語、広東語、日本語が入り交じった会話は壮絶である。それでも、食事は仲を取り持つという感じで、一緒にテーブルを囲んだメンバーは、この後もなんとなく友好的な雰囲気が続いた。食事の内容は結構豪華で、ごはん、スープに10皿の料理。ここぞとばかりに食べまくった。
食後は漢方薬工場に連れて行かれ、ここで漢方医に脈を診てもらうのだという。それぞれ順番に漢方医の前に座り、健康状態のチェックを受ける。Yちゃんは「あんたは悪いとこがないから、もういい」と言われたらしいが、私は「肝臓が弱っているので、この薬を」と半月で450元もかかる漢方薬を勧められた。香港人の奥さんは「1ヶ月で2000元のを勧められたわ」と言っていた。どうやら年齢によって、勧める値段を決めているようだ。結局ここでは誰も薬を買わず、バスは最後の観光地、定陵へと向かった。ツアーガイドに「自由に見て、あとは4時までにバスに戻ってきて」とほっぽり出され、私はYちゃんと一緒に地下宮殿にに向かった。久しぶりに来たけど、やっぱりここはひんやりと涼しくて、使われることのない(←お墓なんだから使われるわけがない)万暦帝と皇后の玉座が冷たくそこに佇んでいた。死んでなお、そこに魂を残そうとした執念が見えるような気がした。地下宮殿を出たところで、たまたま香港人の夫婦と一緒になったので、話しながら入口の方まで戻ってきた。気がつくともう集合時間だ。2つあるという展示室を見ている余裕はない。私たちは仲良く1本ずつアイスを買って食べ、バスに向かった。Yちゃんは一人走り去ったかと思うと、ソーセージを買ってきた。「これがウマイんだよっ」というので、私もちょっと味見。ちょっとスパムっぽい味かも。
バスは時間通りに出発し、6時前にホテルに着いた。私はすっかり疲れきって寝ていたのだが、途中でYちゃんに起こされた。香港人の夫婦に、買い物をするのによさそうな場所を聞かれて困っているらしいのだ。そこで私のガイドブックを貸して、簡単に説明をしてあげた。バスを降りたあと、私たちは王府井の東来順で羊肉のシャブシャブを食べる予定にしていたところ、香港人の夫婦も同じところに行くというので、案内がてら一緒に歩いていくことにした。夕食にはまだ早いという夫婦に付き合って夜市を見学(←私たちは3回目だ!)。「香港の屋台はあまり清潔じゃないんだけど、ここは大丈夫かしら?」「あなた達はここで食べて、おなかは大丈夫だったの?」などと聞かれたので、「大丈夫」と太鼓判を押しておいた。
さて、東来順では、羊肉がダメだという夫婦とは別のテーブルに座り、我々は海老だの肉だの野菜だのを大量に注文。162元の大盤振る舞い。おいしかったからいいんだけど。しかし、よく食べたな〜
食後、香港の夫婦と別れて、私たちは東安市場の地下でおやつを買った。帰り道にスタバに寄り、またまたフラペチーノを買い、飲みながらホテルに帰ってきた。昨日はYちゃんが先にシャワーを使ったので、今日は私が先。
ああ、疲れたニャ〜〜〜
本日の歩数は13942歩。

[本日の教訓]
◎ 水分はたっぷり摂ろう。
◎ 旅は履きなれた靴でね。


このソリのようなもので長城の途中まで登る。
傾斜が45度近くあって、おっかない……


さあ、登るぞ〜
あの向こうまで行くのにどのくらいかかるかな〜


急な石段になっている箇所。
とにかく息が切れる。


ようやくここまで来た。
もうヘトヘトです。


登ってきたのと同じソリのようなもので降りる。
ブレーキはついているけど、おっかない……


明十三陵の一つ、定陵。
ここには地下宮殿がある。


皇帝と皇后の宝飾品などが納められいた。
そうとうなものがあったらしい。


地下宮殿は夏でもひんやり。


夜は「東来順」で羊シャブシャブ。
これがとってもおいしいんです。
私、おかわりしちゃいました。


ホテルの近くにあった教会。

 

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