鮮肉包子 〜10日目〜

◆ 8月4日(水) 鮮肉包子

昨日はさっさと寝るつもりだったのに、NHKのBSでやっていた韓国ドラマ(「美しき日々」とかいうモノ)を見始めたら、ついはまってしまった。最初はベッドに寝転がってみていたのに、そのうちにテレビにかぶりつきで見ていた。しかし、あれですね。出ているのはイ・ビョンホンとチェ・ジウなんだけど、この2人が新庄と松嶋菜々子にしか見えないだす…… どう見ても新庄と松嶋菜々子。
で、今朝は7時過ぎに起きてダラダラ。お腹の調子がよければ豫園まで行って小籠包を食べようと思っていたけど、そこまでの気力はない。そこで8時半頃にホテルを出て、新天地へ行くことにした。新天地までは地下鉄で1本。あっという間に着いてしまう。とりあえず、新天地の周りを散歩してみる。前回来たときには、新天地そのものには行ったけど、その周りって歩かなかったんだよね。
新天地は新しくできた「新上海」の象徴的スポットだけど、その周りにはまだまだ昔風の生活が残されていて、ごく普通の暮らしが垣間見えた。その中で、ちょっと行列のできている包子屋さんがあったので、私も早速並んでみる。肉包と菜包を1個ずつ買う。1個がわずか0.8元。まずは肉包の方をパクリッ! うわ〜、ジューシーな肉汁だしみ出してくる。おいしい。小ぶりの肉まんだけど、これはいい。次に菜包を食べてみる。うーん、こっちはイマイチだな。菜っ葉と豆腐干が入ってるけど、味がちょっと薄い。黒酢をつけて食べるとおいしいんだろうけど、このままだとちょっとね… 結局半分残しちゃった。肉包を2個買えばよかったかな〜
また道をてくてく歩いていくと、猫がいた。この通りには飼い猫が本当に多い。それぞれの猫と親交を深め、新天地に戻った。9時開店のスタバに入り、モカフラペチーノとチョコレートチーズケーキを注文。もちろんフラペチーノはチケットで無料。ケーキは12元。次から次へと西洋人が入ってきてコーヒーを注文しては、テイクアウトで持ち出していく。いずれも上海駐在のビジネスマンのようだ。ここをオアシスのように利用しているのは私だけじゃなかったんだね。
そうこうしているうちにいい時間になったので、ホテルに戻ってチェックアウト。そしていよいよ地下鉄に乗ってリニアの駅に向かう。意外と早く駅に着いたので、12:20のリニアに乗ることにする。厳重な手荷物のX線チェックを受け、ホームに上がると、そこには1台のリニアモーターカーが待っていた。上海リニアは中国語で“磁浮列車”と呼ぶ。列車内は自由席なので、それぞれが好きなところに座る。空港へ向かうビジネスマン、リニアを体験をしにきた家族など、乗客はさまざまだ。時刻通りに列車は動き出し、約3分後に最高時速431kmを達成した。さすがにこの速度だと列車が揺れる。そしてその風景はどんどん流れていくので面白くない。でも、431km/hだ。すごいぞ! そしてまた列車は徐々に速度を落としていき、7分半後に空港に到着した。
空港に着くとチェックイン手続きがまだ始まっていなかった。飛行機の出発時刻が15:35だから仕方ない、か。カウンターで列を作って待っていると、1時になり、手続きが始まった。さあ、私のスーツケースの重さは? 思わずワクワクしながら重量計を見てみると……0.0kg。係のおねえさんは、全然重さを量ってくれなかった。ねえ、あんなに20kg内に収めようと思って頑張った私の努力はどうなるわけ? こんなことなら、もっといっぱい買い物しておけばよかった……
チェックイン後、お土産を見てまわった。あ、あった! 2月に来たときに見つけたジャンボプリッツ。あのときは「上海蟹味」しかなかったけど、今回は「北京ダック味」「広東フカヒレ味」「四川麻辣味」が増えていた。国内線の方にあるお店では80元、国際線の方にあるお店では99元。当然私は国内線の方で買うことにする。「どれがいい?」と聞くと、当然のように「上海蟹味がいい」というので、これを1箱買ってみる。おいしいかな……
外にいてもすることがないので出国手続きを済ませて、中に入った。一応規定では、液体(水とかお茶とか)を機内に持ち込むのは禁止なんだけど、私の持っていた水はノーチェックだった。最近、この辺のチェックが甘いんだよね。中に入っても私は買い物まっしぐら。どうしてもここで買いたいものがあった。それは「折畳合」というアクセサリー入れ。見た目は1枚の布のようなものなんだけど、組み立てるとアクセサリーを入れる箱が出来上がるのだ。前回来たときに自分用に1つ買ったら今回の旅行で重宝したので、20個ばかり買って、旅行を頻繁にする人たちへのお土産にしようと思ったのだ。あとはコーヒーを飲み、私の手持ちのお金はほぼなくなった。
そろそろ時間なので、搭乗券に書いてある搭乗口(15番ゲート)に行ってみる。すると、1つ前の飛行機が停まったまま。どうやら、出発が遅れているらしい。私の乗る飛行機は影も形も見えない。3時なっても3時半になっても何のアナウンスもない。気がつくと出発時刻はとっくに過ぎていて、4時半頃にようやく「搭乗口を12番に変更します」というアナウンスが中国語で流れただけ。チェックインのときに知り合ったおじさん(←中国語を流暢に話す日本人)は、中国語のわからない日本人に通訳するのに忙しそうだった。でも、ちょっと待て。1〜14番は国内専用ゲートだ。ということは一旦外に出て乗るわけ? どうもよくわからない。そのうち5時近くなった頃、出発状況の表示されている画面に「17時出発」の案内がようやく表示された。ということは、実際に出発は18時くらいってことかな。うーむ。私は今日中に家に帰れるのだろうか。それと前後して「機材の故障により、機種変更で出発が遅れる」旨のアナウンスが入る。ねえ、それは遅いって。とっくの昔に出発時間は過ぎてるんだよ。それを何のアナウンスも説明もなく放っておくなんて、とんでもない。民航を選んだ時点でこういうことは想定できたし諦めてもいたけど、ちょっとひどすぎる。もう絶対民航は使うまい。
5時過ぎにようやく飛行機への搭乗が許され、すきっ腹を抱えて座席に着く。飛行機はそのままじっと待機。どうやら乗客が揃わないらしいのだ。3名ほど搭乗が遅れているという。あのね、飛行機の出発が遅れてるときは、ちゃんと搭乗案内に注意しておくべきなの。案内されたさっさと搭乗するの。自分勝手に飛行機を遅れさせたりしちゃいけないのっっ それから随分経ってから、乗り遅れた人が悪びれる様子もなく席に着いた。ようやく出発である。飛行機は18:10に無事離陸した。ということは日本時間で19:10。本来ならそろそろ成田に着く時間だ。こんなに遅れてしまったら、今日中に家に着くのは無理かもしれない。
この飛行機は全日空との共同運航便なので、日本人スチュワーデスが1人だけ乗っている。このスチュワーデスが日本語アナウンスをするわけだけど、つい不用意にも「間もなく機内食をお持ちいたします。本日のメニューは鶏肉と鰻となっております。どちらかお好みのものをお選びください」などと放送したものだから、さあ、大変。私の斜め前にいた母子の母親(私よりちょっと若いくらいか?)の頭には「ウ・ナ・ギ」の3文字が完全にインプットされたらしい。当然私たちの乗っているエコノミークラスの席には日本人スチュワーデスなんか来ないので、中国語と英語しか話せない中国人スチュワーデスが機内食のサービスにやってきた。スチュワーデスはにこやかに母子に「Chicken or fish ?」と聞く。母親は「チキンとウナギ!」と答える。スチュワーデスには「ウナギ」がわからないので、再び「Chicken or fish ?」と聞く。母親は「チキンとウナギ!」を繰り返す。そのうちにスチュワーデスの眉間にシワが寄り、だんだん語調が強くなってくる。「Chicken or fish ?」「チキンとウナギ!」という会話がしばらく繰り返された挙句、ようやく母子の前に鶏肉と鰻が1つずつ置かれた。ねえ、「fish」くらいは覚えておこうよ。文法は間違っててもいいから、単語だけでもいいから、ちょっとくらいは英語を話そうよ。ちなみに私は「fish」を選択。ちゃんと鰻が出てきました。お腹減ったよ〜 だってもう18:45だもんね。そりゃあ、お腹も減るって。
飛行機は順調にフライトを続け、21:50に成田に到着した。着いてみればすでに最終便はとっくに到着したあとで、我々の飛行機が本日最後の到着だった。入国審査時も、すでに奥に引っ込んでいた係官がわらわらと駆けつけてきて、なんだか空港内全体が寂しい感じ。なかなか出てこない荷物を待ち、税関を通る。係の人に「お疲れ様でした!」と言われたけど、実際、心底ぐったりしていて、クタクタでした……
何とか22時半の新宿行きシャトルバスに乗り、新宿0:18の終電にギリギリ間に合って家にたどりつきました。日本に、家に無事に帰れてよかったよ〜〜〜(T.T)
本日の歩数は12933歩。

[本日の教訓]
◎ 中国系の飛行機は要注意。
◎ 空港にはおやつを持参しよう。


朝の包子を買ったお店。
結構人気があるらしい。


どこかの店の裏で寝ていた猫。
全然起きなかった。


これまたどこかの店先にいた猫。
夫婦仲良く毛繕いをしていた。


上海の新天地。
まだ朝早いので人が少なくてよかった。


世界最高速を誇る上海リニア。
龍陽路と浦東空港を結ぶ(50元)。


走り始めて3分くらいで最高時速431kmに到達。
また3分くらいかけてスピードが落ちていく。


ジャンボプリッツが増えている!


上海浦東空港はやっぱり広い。
そして、飛行機の出発が遅れて、
合計6時間をここで過ごした。


現地時間18:10に2時間半遅れで出発。
もう、お腹減ったってば。


で、機内食は鰻でした。
空腹だったので、そりゃあもうおいしかった。

 

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