北京[火考] 〜1日目〜

朝6時に起きて身支度。成田のホテルで前泊したので、こんなに寝坊できるのだ。いつも支度の早い私は6時半には全てを済ませてゴロゴロしていた。7時頃にようやく支度のできたYちゃんとともにホテルをチェックアウトし、シャトルバスで成田の第2ターミナルへと出発した。
さて、今回の中国旅行。実は目的が2つある。4年ぶりに帰国するYちゃん(某定時制高校で私が日本語を教えている生徒)を中国まで送り、哈爾浜へ旅立つのを北京空港で見送る、というのが1つ。もう1つは、私自身の桂林漓江下り。この2つをクリアできて、初めて旅は成功となる(←そんな大袈裟なものではない)。
7時半ぴったりに航空券を受け取り、いざ搭乗手続き……と思ったら、これが時間のかかることこの上ない。今回は安いチケットを利用したので、航空会社は中国国際航空(昔は「民航」と呼ばれていたヤツだ)。民航を選択した時点で、すでにさまざまなトラブルは覚悟していた。が、しかーし! たかが搭乗手続きだけでこんなに列ができて、30分も待たされるなんて普通じゃないよ……
その後、出陣前の腹ごしらえということで、いつもの「カフェ・クロワッサン」へ行く。ここで軽く食べて、あとは機内食でお腹を満たすというわけ。食事は適当に済ませて出国手続きに行くと、ここが長蛇の列。やっぱりな。夏だからな。でも、並んでいるわりにはスムーズに進み、15分ほどで私は国外への脱出成功(?)となった。
その後はお決まりの免税店。私自身は何も買うものがないが、Yちゃんは北京でお世話になる親戚におみやげとして煙草を買っていた。そして急いで登場ゲートに向かうと、そこで待っていたのは飛行機ではなく、飛行機へと連れて行ってくれるバスだった。国際線でこういうバスに乗るのは2回目である。んもー、変な航空会社(スミマセン)だからこういうことになるんだわ。そのバスに乗って飛行機のところにたどりつくと、そこには小さな機体が待っていた。ボーイング757だって。横は3席×2列で、180人も乗ればいっぱいになってしまう飛行機だ。そしてこの飛行機がボロい。シートが半分壊れてる…… ヤバイよ。民航、絶対、ヤバイ。しかもスチュワーデスは日本語が全然話せない。んもう、役立たずなんだから。
飛行機は9時半の予定を20分遅れて動き出し、10時頃ようやく離陸した。飛び立ってしばらくすると食事。食事はかき揚げ丼。味つけがなんだか微妙だったので半分残してしまった。あんこが苦手な私は、栗饅頭には手をつけなかった。そうこうしているうちに、飛行機は中国へと近づいていく。機内の人々は中国への入国カードと健康申告書を書きはじめた。もちろん私もさっさと書く。すると、近くに座っていた日本人がスチュワーデスに書き方を聞いていた。ところが、さっきも書いたように日本語の話せないスチュワーデスは、聞かれても何も答えられず、適当なことを喋るだけ。仕方ないので私が横から口を出し、カードと申告書の書き方を説明した。本当に役立たずである(スチュワーデスが)。
12時半にようやく北京着。いざ、入国! だったんだけど……中国人の入国はスムーズなのに、外国人の入国は長蛇の列。列が長い上に、手続きに時間がかかり(1人5〜10分くらいかかっていた)、私が並び始めて無事に入国を果たすまでに1時間が経過していた。私の前に並んでいた日本人は「国内線の乗り継ぎ便に間に合わない…」と肩を落としていた。後ろの日本人は「仕事より飯が大事なのか!」と肩を怒らせていた。その間、中国人なのでさっさと入国したYちゃんを、私はただボンヤリと1時間待たせてしまった。ゴメンよ〜 
ようやくのことで荷物も受け取り、外に出ると……約束していたSさん(Yちゃんの親戚で旅行会社勤務、今回の北京滞在中のホテルの予約をお願いしていた人)がいなかった! どうやら私の入国がもたついたために、行き違いになってしまったらしい。「どうしよう?」と半泣きのYちゃんに電話カードを与えて、「これで電話しなさい」と命令。中国に着いた途端に“利害(リーハイ=中国語で「コワイ」とか「気性が激しい」といった意味)”になる私。電話は無事に通じ、私たちはSさんの車で王府井の近くにある「富豪賓館」というホテル(星3つ)へと直行した。ホテルはSさんの顔で1泊450元(ツイン)。保証金3100元を請求されたものの、いきなりそんな金額は持ち合わせがないので、日本円で4万円を渡した。中国って必ず保証金が必要なんだよね。すでに宿泊費が払ってある場合も、絶対に保証金を請求される。本当はクレジットカードの方が便利なんだけど、このホテルのことはよくわからなかったので、とりあえず現金払いにしておいた。
Sさんが夕ご飯をご馳走してくれるというので6時半に約束をして別れた。私たちは部屋でしばしくつろいだ後、早速王府井へと出かけることにした。それにして、今日の北京は雨。傘は私の折り畳み傘1本。大丈夫だろうか? 途中、デパートに寄って、Yちゃんのお父さんへのお土産を探すことにした。「何がいいかなあ?」と聞かれても、私は彼女のお父さんを具体的に知ってるわけではないのでコメントはパス。王府井では、まずは新東安市場へ。ちょっと小腹がすいたので、サーティーワンでアイスを食べることにした。私は「杏仁開心果(アーモンドピスタチオ)」。コーンに巻いてある紙がなかなか剥がれないなーと思ったら、しっかりと糊付け(!)してあり、勢いよく紙を破った瞬間、コーンがバリッと割れた。悔しい。Yちゃんはサングラスが欲しいというので、あれこれ試着。「これはどう?」と聞くので、「香港のスターっぽいね」と、中途半端なコメントをしておいた。
さて、時間もいいようなのでホテルに戻り、Sさんと再会。「お酒を飲むから車は置いてきました」というSさん。飲む気満々である。そしてタクシーで王府井の「全聚徳」へ。10分ほど待たされて、テーブルに案内される。そして次々出てくる料理。アヒルのレバーはフォアグラみたいでとても滑らか。おいしい! もちろん真打ちの北京ダックもおいしい。ちょっとスモークの香りがして、とても香ばしいのだ。以前、前門で食べたのよりずっとおいしい。やっぱり店舗によって随分味に差があるんだな。
食後は王府井の夜市をひやかし、故宮の前まで人力タクシーに乗せてもらった(Sさんが10元に値切っていた)。昼間に降った雨のせいか、とても涼しい。夜風がとても気持ちいい。故宮の午門からタクシーに乗って「后海」へ。ここは最近注目のスポットで、オシャレなレストランやバーが建ち並んでいる。夜だというのに人通りは多く、にぎやかだ。貸切ボートにも乗り、大満足。全部Sさんが仕切ってくれた。どうもありがとう。
「今日はホテルに帰ってゆっくり休んでください」というので、ホテルに帰る。フロントで「国内の長距離電話が通じないんだけど」と文句を言うと、ちょっと調べて保証金200元を請求された。200元って…そりゃあんた、多すぎるんじゃないの? でも、Yちゃんが実家と連絡をとるのに必要なので、200元払って領収書をもらう。これで電話も無事に開通。
本日の歩数は14065歩。

[本日の教訓]
◎ 旅行の時は、スーツケースの片隅に折りたたみ傘を1つ。
◎ 飲めない人は勧められても「白酒」を飲んではいけません。


まずは中国国際航空(民航)の機内食。
かき揚げ丼に煮物と茶そば。
そしてなぜか栗饅頭……


サーティーワンのアイスだけど……


全聚徳のアヒルちゃん。


北京ダックが焼きあがりました。、
さあ、食べよう。
餅(ビン)に包んでパクリッ!


王府井の夜市。
人出も多くてにぎやか。


夜市ではヒトデも売られていた。
おいしいのかな……


最近人気の「后海」。
オシャレな飲食店が並ぶ。


値段の高いお店ばかりなのに
結構人が入ってるみたい。

 

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