今回最大のトラブルとは…… 〜6日目〜

今日も朝から天気がいい。でも、空にはうっすらと雲が…… いやな気配だ。
今日は6時に目が覚め、手早く身支度して朝食に降りた。そして、朝の散歩をしようとホテルを出ると、その横には蚤の市が出ていた。そうか、今日は土曜日か。土曜、日曜にはこうして蚤の市が出る通りがいくつかあるが、まさかホテルの横の道がそれだったとは。売られているのは本当にガラクタばかりなのだけれど、見ているだけでも結構面白いものだ。壊れたものを大真面目に売ってるところなんかは、思わず笑ってしまう。
今日は8時に大哥に迎えに来てもらい、“怪坡”に行くことになっている。時間通りにロビーに降りると、大哥が待っていた。そして彼の車で怪坡へ。この怪坡というのが珍しくて、ただの坂なのだが、上りなのにエンジンをかけなくても車が進み、下りなのにアクセルを踏まないと動かないのだ。よーく見てみると「目の錯覚じゃないのかなあ?」という気がするんだけど、でも、本当のところはよくわからない。
続いて東陵へ。ここで車を下ろしてもらい、夜、ホテルに汽車の切符を届けてもらう約束をして大哥たちとわかれた。北陵はホンタイジの墓で、東陵はヌルハチの墓。1926年に造られているが、北陵の原型がすでにできているところが興味深い。全体の構造もだいたい同じで、わずかにこちらの方がコンパクトな感じがするが、一瞬自分がどちらにいるのか悩んでしまうほど似ているのだ。
今日の午後は買い物をするつもりだったので、東陵の見学は適当に切り上げ、タクシーを拾って市内に向かった。昨日の中街でCDだのVCDだのといった自分のものも買ったけど、生徒への土産のお茶などを大量に購入。そろそろ手持ちのお金も無くなったので、ホテルにいったん戻って荷物を置くことにした。そして……ここからが不運な週末の始まったのだ。
ホテルで日本円の両替を頼むと、「今日は土曜日でレートが出ないから両替できません」というのだ。え? 私は今手持ちが200元しかなくて、大哥に汽車の切符代も払わなきゃいけないのに、どーすんの? 「土日はどこに行っても外貨の両替はできません」と言う。慌てて近くの銀行にも行ってみたが、やはり両替をしてくれない。今まで私が泊まったホテルでは、土日は金曜日のレートで両替をしてくれていた。それが普通だと思っていたが、さすがに瀋陽は田舎ということか。「中国人民銀行に行ってみたらどうだろう?」と言われ、まずはとりあえず中心部にある大きな中国銀行に行ってみることにした。
タクシーで中国銀行に乗りつけると、あやしげなおっちゃんが「両替?」と言って人民元をヒラヒラさせた。キーッ 悔しい! ここで替えてもらえなかったらこのオッサンに頼まなきゃならないのか? とにかく中に入って、案内係の恰幅のいい職員に「両替したいんだけど」と言うと、やはり今日は無理だと言う。その時点で私はおそらく涙目になっていたのだろう。その職員のおじさんが「なんでそんなに慌ててるの? どのくらい欲しいの?」と言うので、切符を買わなきゃいけないのにお金がないということを切々と訴えた。すると、金曜日のレートを調べて「1万円680元でいい?」と言う。思わず首を縦に振ると、そのおじさんは自分の口座から680元引き出し、私の1万円と取り替えてくれた。私の1万円が本物かどうかも確認しないで。ただし「どうして昨日のうちに両替しておかなかったんだ?」とお説教することは忘れなかったが。
このおじさんのおかげで680元を手にすることができ、これで明日の日曜日を過ごすことが可能となった。昨日、日本人の若者に施した功徳は、すぐにこんな形で私の元に帰ってきた! ありがたいなー、と思わず涙がにじんでくる。ホテルまで歩いて帰り、夕方無事に大哥から汽車の切符を受け取り、いつものように夕ごはんを食べに行った。食事はいつものようにおいしく、こうして安心して夕ごはんが食べられるのも、全て中国銀行のあの職員のおかげだと思うと感謝でいっぱいである。夕方、大雨が振ったときも私は部屋にいたのでぬれなかったし、なんとか無事に一日を過ごせたようだ。
さて、ホテルに帰れば日課となったメール送信。そして今日もいつものように夜が更けていくのです。
本日の歩数は21195歩。

[本日の教訓]
蚤の市は見るだけにしよう。(^^;
(地方都市に行くときは)両替できるときに両替をしておこう。


ホテル横に出ていた蚤の市。
本当にガラクタしか売っていない。


こちらが“怪坡”。
不思議な坂道です。


東陵はヌルハチのお墓。


狛犬ならぬ、コマサイ(?)。
証券会社の入口にありました。


大連への切符。
軟座(グリーン指定席)を取ってもらいました。


夕食は“豆辧焼茄子”と“辣爆鶏丁”。
四川料理なので辛くて最高!

 

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